記憶(4)
あれは幼稚園の時の話だ。
幼稚園が終わった後に仲の良かったMちゃんと自転車に乗って遊びに行く時の話。
Mちゃんは自転車に乗るのが得意ですごく早く走れた。
私は着いて行くので精一杯だった記憶がある。
Mちゃんが公園まで競走しようと言ったが正直私は断りたかった。
ただ、Mちゃんはそれを言うなりスピードを上げ始めた。
「待ってよMちゃん。」私は叫びながら一生懸命に着いて言ったが
かなり差をつけられてしまった。
Mちゃんは速度を落とすことなく、交差点に侵入。
私は少し離れていたので右側から車が来るのが見えた。
急ブレーキの音が鳴り響く、ドンと小さな音がした。
だいぶ速度が落ちていたがMちゃんは車と接触してしまった。
Mちゃんは大泣き、近所の人が出てきて大騒ぎとなった。
ただ、当時は少し緩くて、車の人もMちゃんが怪我をしていなかったのを
確認すると行ってしまった。
近所の人も「危ないから飛び出しちゃダメよ」と言っていたのを覚えている。
私はあれ以来、全力で自転車に乗らないことにしている。